頻度を表す程度副詞
「たまに」も「たまたま」も頻度(回数)を表す程度副詞と言われるものです。共に「めったにない」ことがらを表します。
「いつも」「よく」「ときどき」「あまり」「全然」
少し復習です。頻度を表す程度副詞はよく使うので、初級の最初から学習します。頻度の高い方から「いつも」「よく」「ときどき」「あまり(~ない)」「全然(~ない)」を代表的なものとして勉強しました。
- 私はいつもサッカーをします。
- 私はよくサッカーをします。
- 私はときどきサッカーをします。
- 私はあまりサッカーをしません。
- 私は全然サッカーをしません。
「ときどき」「たまに」「まれに」
上の5種は初学者必須のものですが、単純な「頻度」ということでは「ときどき」の下に、つまりより頻度が少ない領域に「たまに」「まれに」が位置するでしょう・
- 私はときどきサッカーをします。(例えば週に1回)
- 私はたまにサッカーをします。(例えば月に1回)
- 私はまれにサッカーをします。(例えば半年に1回)
実は表題の「たまたま」は頻度というスケールだけでは表せないのです。
畳語化「とき→ときどき」「たま→たまたま」
「どんどん」とか「そろそろ」のように同じ語を繰り返すものを畳語と言い日本語の中では非常に多いですが、「とき(時)に」が畳語化したものが「ときどき(時々)」、「たま(偶)に」が畳語化したものが「たまたま(偶々)」です。
畳語化による意味変化は「強調」が原則ですが、元の言葉の何を強調するかによって、多くの場合単なる強調ではない意味変化が起こります。
「ときに→ときどき、たまに→たまたま」の畳語化による意味変化は以下のようになります。
ときに→ときどき | 「ときに」の意味は「何らかの事情でそういう事態がありうる」(偶発事態)ということをしめします。〔例文〕彼は時間に正確だがときに遅れることがある。畳語化し「ときどき」となり「頻度」のみを表すように変化した。 |
たまに→たまたま | 「たまに」は起こることが非常に少ないという頻度のみを表すが、畳語化し「たまたま」になり、頻度が少ないことがさらに強調された結果「偶然」という意味が追加された。 |
図示すると以下のようなイメージです。
「たまに」と「たまたま」の違い
「たまに」と「たまたま」の違いという観点だけで比較すると、「たまたま」は「偶然,碰巧」、「たまに」は「偶尔」となります。
〔例文〕私はいつもは宿舎で外卖を食べる。が、たまには第一食堂でも食べる。先日食堂に行ったらたまたま先生に会ってしまった。
以上、基礎日語写作教程2(高等教育出版社刊)などを参考にさせていただきました。
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