川西緑台高校卒業の有名人
兵庫県立川西緑台高校というのは私の卒業した高校。川西緑台高校卒の有名人と言えば、漫才コンビ、キングコングのメンバーであり童話作家の西野亮廣(にしのあきひろ)氏(1980年生まれ)である。この「キングコングのメンバー、童話作家」という肩書はWikipediaの記述である。
前回地元の有名人ということでお隣の伊丹市の伊丹高校を出られたマーケッター森岡毅氏を紹介したが、西野氏は正真正銘の同郷人。ただし年は二回り若い。つまり筆者と24年年の差がある。
肩書のわかりにくい世代
森岡毅氏の「マーケッター」という肩書にしても、私には「なにそれ?」という感覚である。まして「漫才師・絵本作家」という肩書だと、オンラインサロンなどを中心に活躍されている西野亮廣氏をうまく表現できている肩書ではないのに、ちょっと残念ではないかと思ってしまう。
しかしそれでいいのだ。残念に思うのは古い人間だけ。彼らは真の意味で肩書で仕事をしない世代、つまり肩書などどうでもよい世代なのだ。そして森岡毅氏には激しく共感できる私も、西野亮廣氏の考えや言うことは、はっきり言って「よくわからない。」
その「よくわからない」という形容こそが、彼「西野亮廣」への最高の賛辞であろう。別に今の時代に限らない。そもそも60過ぎの「じじい」に理解できるようなことを言う若者など、碌なものではない。
西野氏に限らず、旧世代の人間の理解を越える若い世代の人々が増えてきている。筆者にとっては寂しいことだが、こういう現象自体は素晴らしいことだ。「日本はまだ捨てたものではない。」という希望を持つことができる。
内容は理解できないにしても、彼ら日本の新しい世代を切り拓いていってくれるであろう人々の特徴は、人を納得させる話し方に長けているということである。であるからこそ、多くの若者の共感を呼び、やりたいことを実現させる力に結び付けられるのであろう。
以下は、西野亮廣氏が近畿大学の卒業式で卒業生たちに語りかけたスピーチの最後の部分。
時計ってすごくおもしろくて、まあ、あのう、まあご存知だと思いますけど、長針と短針があって、ま、あいつらは1時間に1回、すれ違うんですよ、重なるんですよ。ま、1時5分で重なって、2時10分ぐらいで重なって、3時15分ぐらいで重なって、で、まあ、長針がも1回追い、追い抜いたと思ったら、またこー、4時何分かで重なる。毎時1回は重なるようにできているんですけれど、11時台だけは重なんないの、11時台だけは。11時台だけは、短針が先に逃げ切っちゃって、その2つの針って重なんないんですよ。次に二つの針が重なるのは12時。鐘が鳴る時ですね。
伝えたいメッセージは何かというと、「鐘が鳴る前は報われない時間があるとこと」です。これは僕にもあったし、今後皆さんにも必ずある。必ずある。人生における11時台っていうのは必ずある。でも大丈夫、時計の針は必ず重なる。だから挑戦してください。みなさんの挑戦がうまくいくっことを願っています。頑張ってください。僕は、んー。ちょっと先で待ってます。
近畿大学卒業式 祝辞から
上の内容は、西野氏の絵本の異なるテーマを無理やり「夜明け前が一番暗い」的な比喩にしようとしたもの。比喩としては明らかに無理がある。しかし、彼が彼なりの論理で話を組み立ててプレゼンすれば、それなりの説得力があり、これから社会に出ようかという学生を感動させ、記憶にとどめさせるには十分である。
そういう”芸当”をさりげなくこなすということが、旧世代にはできない。また理解できないということなのだろう。
川西の寺といえば満願寺
ところで、タイトル下の絵は、川西市の住人ならよく知っている真言宗寺院「満願寺」の前で西野の絵本の主人公が出会っている絵。これは実際に「満願寺」で西野氏の絵本に関するイベントが行われた際に使われたようだ。
ちなみにこの「満願寺」には昔話「金太郎」のモデルとなった坂田の金時の墓がある。坂田の金時といえば、源頼光の四天王の一人。そして源頼光の父が源満仲。源満仲とは清和源氏の血統で「多田源氏」の祖と言われる。子孫が鎌倉幕府を開いた源頼朝ということになる。
源満仲の三本の矢
満願寺を裏に抜け小一時間程度歩くと、多田源氏発祥の多田神社に行ける。源満仲がこの多田神社の地に築城しようと決めたのは、彼が放った矢が落ちた場所が今の多田神社の場所であったからという。その地では多田水という良質な炭酸水がとれた。
源満仲の三本の矢は、今も「三ツ矢サイダー」のロゴとして残っている、というのは川西の住人なら誰もが知っているトリビアの一つである。
そういえば、筆者の子ども時代「サイダー」と言えば「三ツ矢サイダー」のことであり、その他の炭酸飲料は知らなかった。
兵庫県川西市というと超マイナー・どローカルであるが、なかなかどうしてメジャーを生み出す風土があるのだ。
少し脱線したが、たまにはお許しいただきたい。
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