〇「会議に出席する」しかし、×「会議を出席する」
学生さんから質問を受けて、頭が混乱してしまいました。私は通常以下のように使っていたと思います。
特に意識することなく、出席の時は「に」、欠席の時は「を」を使っていました。これでは学習者は混乱しますね。正しい用法を調べてみると、以下のようになります。
〇会議を欠席する、〇会議に欠席する、両方OK
欠席の時は「を」の他に「に」もOK、しかし出席の時は「に」しか使えません。ますますわけがわかなくなります。
同じ「欠席する」でも、文法的にいうと上は自動詞的、下の「ヲ格」を使う方は他動詞的用法になります。
なぜそうなるのか?
次のように考えてみました。つまり、「出席」「欠席」の違いは「出」と「欠」。これらのもとになる和語としての動詞の違いに着目します。
「出」=「出る(他)」、「欠」=「欠ける(自)、欠く(他)」
「出席する」は「出る」これは自動詞、つまり「=会議に出る」。他動詞にしてしまうと「出す」ですが、「会議を出す」だと意味が変わるので除外。これに対し「欠」という字を動詞化すると自動詞が「欠ける」他動詞として「欠く」があり、意味は共に欠落するということで変わらない。
ややこしいですが、まとめると以下の表。
「出席」「欠席」という漢語を使う場合でも、基本日本人の頭の中には「和語」である「出る」「出す」「欠ける」「欠く」という動詞の使用感覚が残っているのではないでしょうか。
その結果、自動詞「出る」に対応する「出席」は自動詞用法「会議に出る」だけが残る。自他動詞「欠ける」「欠く」に対応する「欠席」は「会議に欠席」「会議を欠席」両方使用可能という風に考えてはどうでしょう。
説明は以上です。
ところで、最近は「会議」といえば、先のような会議風景より、リモート会議を連想するようになりましたね。
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