「~ないで」と「~なくて」(+「~ずに」)

「ないで」と「なくて」

「~ないで」「~なくて」

 「~ないで」「~なくて」は「て形」の動詞が否定形の時の形です。「食べて、飲んで」なら「食べないで、飲まないで」「食べなくて、飲まなくて」の2通りの言い方があります。例えば、

  • 窓を(〇閉めないで/×閉めなくて)寝ました。
  • 先生が(×来ないで/〇来なくて)心配した。

 どちらかしか使えない場合があるようですね。使い方のルールについて整理しましょう。

順次動作を示す「~て」(継起)

 「~て、~て」の形で最初に勉強するのは順次動作を表す用法ですね。

朝、ジョギングをして、シャワーを浴びて、会社へ行きます。(みんなの日本語、第16課)
 実はこの「継起」用法以外に「~て」の表す意味はいくつかあります。

「~て」の5用法

 「継起(順次動作)」以外に「付帯状況」「手段」「原因・理由」「並列」を表す用法があります。それぞれ典型的な例文を覚えておきましょう。

  • テレビを見て、歯を磨いて寝ました。(継起)
  • 手を上げて、横断歩道を渡りました。(付帯状況)
  • 包丁を使って、料理をしました。(手段)
  • 彼が来て、安心した。(原因・理由)
  • 太郎は合格して、次郎は合格しなかった。(並列)

 5用法のうち(継起)用法とは連続動作を表しますから、動詞が否定になることはありません。残る4用法の動詞が否定になったときどうなるか検証してみましょう。

  • 手を(〇上げないで/×上げなくて)、横断歩道を渡りました。(付帯状況)
  • 包丁を(〇使わないで/×使わなくて)、料理をしました。(手段)
  • 彼が(×来ないで/〇来なくて)心配した。(原因・理由)
  • 太郎は(〇合格しないで/〇合格しなくて)、次郎は合格した。(並列)

 ルールは以下のようになります。

  • (付帯状況)(手段)を表す「~て」の否定 → ないで
  • (原因・理由)を表す「~て」の否定 → なくて
  • (並列)を表す「~て」の否定 → どちらでもOK

 まずは

原因・理由を表す「~て」は「なくて」になる

 と覚えておいてもいいかもしれません。

「~ずに」

「~ずに」は「~ないで」に似ています。少しだけ「硬い」言い方となります。(並列)では使えないという特徴があります。

  • 手を上げ(〇ずに)、横断歩道を渡りました。
  • 包丁を使わ(〇ずに)、料理を作りました。
  • 太郎は合格せ(×ずに)、次郎は合格した。

「~ないで」「~なくて」「~ずに」まとめ

 以上まとめると以下のようになりますね。

 ~ないで~なくて~ずに
付帯状況×
手段×
原因・理由××
並列×

(〇:使える、×:使えない)

以上、初級を教える人のための日本語文法ハンドブック、中上級を教える人のために日本語文法ハンドブック、(共に3Aネットワーク刊)を参考にしました。

以上です。

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