秘密戦隊ゴレンジャーの決めのポーズを見てみましょう。
アカレンジャーは主人公なので張りきっていますね。キレンジャーはちょっと太っています。ミドレンジャーは目がつりあがっていてちょっと変な顔。アオレンジャーの俳優さんは昔ドラえもんをやっていたのか青と赤の衣装が好き。そして紅一点のモモレンジャーは毎日おしゃれしています。
上の5つの「~ている」の使い方。全部違うのがわかりますか。実はこの5つが「~ている」の代表的な使い方なのです。まとめましょう。
用法 | ゴレンジャー | 典型的例文 |
継続 | 主役で張りきっています。 | 今、テレビを見ている。 |
結果残存 | 太っています。 | 電気が消えている。 |
属性 | 目がつり上がっています。 | 一卵性双生児は互いによく似ている。 |
経験 | 昔、ドラえもんをやっています。 | 犯人は3日前にここで食事をしている。 |
反復 | 毎日おしゃれしています。 | 毎日、ブログを書いている。 |
基本は継続し得る動きを表す動詞をつかった「継続(進行)」用法と、瞬間動詞などで以前に動きが終了し結果が残っている「結果残存」用法です。
これに加えて、時間的な限定が希薄な動詞になってくると「属性・性質」などを表すようになる。
さらに「経験」「反復」を表す用法もある、と段階的に把握しておきましょう。
スーパー戦隊シリーズと日本の伝統芸能「歌舞伎」
余談ですが、1975年に「秘密戦隊ゴレンジャー」として始まった「スーパー戦隊シリーズ」。子供向けの5人のヒーローもの「○○ジャー」として毎年新たなシリーズが放映されており、今年(2021年)で45作目になるそうです。
どのシリーズでも、子どもに人気があるのはやはり最初の図のような「5人そろって〇〇ジャー!」と決めのポーズをとる場面ですが、この5人のポーズは日本の伝統芸能の歌舞伎(かぶき)の有名な演目「白波五人男」のポーズにヒントを得て作られたそうですよ。
子ども向けといっても、あなどれないですね。
参考までに白波五人男の次のセリフ、最初の「知らざあ、言って聞かやせやしょう。」という表現は日本人で知らない人がいないぐらい有名です。
知らざあ、言って聞かせやしょう。(知らないなら言って聞かせましょう)浜の真砂(まさご)と五右衛門が、歌に残せし盗人(ぬすっと)の、種は尽きねえ七里ヶ浜、その白波の夜働き、以前をいやあ江の島で、年季勤めの児ヶ淵(ちごがふち)。…
以上です。
コメント
日本語教育であまり可視化されていない「〜ている」は、
間接引用の「筆者は〜と述べている/と主張している」ですね。
「筆者は〜と述べる/と主張する」は少し不自然さがあります。
この「〜ている」は、論文や要約文では必須なのにあまり重視されていないように思います。
ご指摘ありがとうございます。おっしゃる通りよく使いそうな言い回しなので独立して教えておいた方がいいかもしれませんね。勉強になりました。